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臨床塾便り

講師からのお知らせ
03 /17 2020
こんにちは。臨床塾の髙橋です。HPに掲載させていただきましたが、臨床塾4月コースの開講は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の動向を鑑みて延期とさせていただきました。参加の申し込みをして下さいました先生方、そして、新設した小児コースの講師を引き受けてご準備いただいておりました佐々木先生、ご迷惑をおかけ致しますが、何卒ご理解とご協力の程よろしくお願い致します。

 さて、今回は、2月末に行ったBコース「体幹機能」4回目のテーマ、上部体幹についておさらいしていきたいと思います。臨床塾で提案している上部体幹の実技では、機能として、呼吸循環、消化、上肢機能をとりあげていますので、ざっくり胸腰椎移行部あたりへのアプローチとして試していただければと思います。
健常者でも、日々の生活で息を止めて活動している場面は、思いのほか多いわけで、生きている限り止むことのない呼吸の重要性を指摘している書籍は山ほどあります。片麻痺者では、山梨の柏塾塾長である柏木先生が、柏塾ノートでご指摘しています様に、非麻痺側の胸腰椎移行部からはじまる回旋を伴った屈曲により、姿勢の固定を優先している状態が続いていますから、胸郭の動きや横隔膜の動きは制限され、呼吸が十分に機能していない場合が多いかと思います。比較的軽度の片麻痺者から、「息をすった感じがしない。」「病前より声が小さくなった。」などの訴えを聞いて、改めて呼吸状態を評価してみると、浅く、努力性が強い呼吸に陥っている事に気づかされます。本来であれば、呼吸に伴って、第1~4までの上位肋骨ではポンプ柄運動、第5~10までの中位肋骨ではバケツ柄運動、第11~12の浮遊肋骨ではキャリパー運動が観察されます。また、心臓の拍動に伴って血液が全身を流れているわけですから、細かな波の様に身体の隅々に振動が波及しています。しかし、片麻痺者の胸郭では、麻痺側への回旋と肋間部の狭まり、特に乳頭下のストラップ部位(第5~7肋骨部)が著しく短縮して、その動きが制限されている方が多いようです。また、心臓の拍動に伴う身体の隅々までの振動は、固定が強い部分からは波及しにくい様子が確認されます。その様な問題を解決したい時のアプローチとして、臨床塾では、大胸筋と腹直筋の重なり合っている乳頭下のストラップ表面部分から前鋸筋と外腹斜筋の交差している体側部分、そして肩甲骨下角部分の皮膚から筋群にかけて滑走性を引き出していく実技を提案しています。また、同時に肋間部に指を当て、呼吸を邪魔しない程度に軽く触れ、ご本人の呼吸に合わせて少しだけ呼気をより深く誘導する介入で、胸郭の動きを広げていく事を提案しています。一つ目の実技では、「皮膚表面の滑走性」について感覚的な質問が多く出るのですが、その感覚をとらえると比較的難しくない実技になるのですが、2つ目の実技は、感覚的に非常に難しいものになる事が多いようです。自分が被検者になると、良くわかるのですが、無意識的に機能している呼吸を意識づけられる事の不快感は相当なものになります。そう考えると、昔々、治療の中で、へたくそなタッチで深呼吸を安易に要求していていた事を、非常に申し訳なく思う次第です。
3月17日 臨床塾塾長 髙橋
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臨床塾便り

講師からのお知らせ
03 /13 2020
臨床塾の髙橋です。

東日本大震災から9年目を迎えても尚、多くの問題が山積しておりますが、震災により犠牲になられた皆様に、改めまして追悼の意を表したいと思います。また、突然大切な方々を、そして生活を奪われてしまいました皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。
 
さて、前回、片麻痺者の手をしっかり握る方向に誘導する事で、握りのみではなく手の開排も変化する実技を紹介させていただきましたが、試された方はいかがでしたでしょか。他動的に関節技で抑え込んで「痛い」とコメントされた方などはいなかったでしょうか。手を少しでも開いて、手が得意とする本来の機能である知覚探索の機会を多く提供したいと思っても、速度依存性に緊張が変化する痙縮や、5本の指の構造をバランス良く調節している筋群の短縮を伴っている麻痺手の扱いでは、片麻痺者の手の繊細さの問題が映し出されます。言い方を変えるならば、セラピストの実力の差が出てくる様に思います。「押してもダメなら引いてみな!」ざっくりした思考ですが、「手を開いてあげたい。」と思った時に、手指を開排しようともたもたと時間をかけるならば、しっかり安定した握りを調節していく事で、手全体の筋緊張緩和に結び付けていくという発想は、興味深い視点かと思います。また、強く握りしめられた麻痺手では、長掌筋、手掌腱膜、皮膚が非常に固く結合している手掌中央部より、薄く可動性に富んでいる手背や手両側部など、手の中で変化を出しやすい領域に着目して、つけ入るスキを探していくハンドリングの中で、おのずと緩みが得られていく工程も、身体の末端部である手特有の変化と言えるような気がしています。

 手指の屈曲が少しでも緩んできたら、次はこの順番でという様な手順ではなく、手の様相に応じて、手関節、母指球筋群、小指球筋群、MP関節、指先などの中から、治療展開に結び付く領域をセラピストが模索していく事になるかと思いますが、どの部位から介入するにしても、共通して言える事は、ラピストの一方的なタッチでは変化を感じとる事が難しいという事です。セラピストが片麻痺者の手の探索反応や潜在的な能力に期待した触れ方になっている場合に限り、好ましい変化を確認する事が出来るかと思います。この部分は、非常に感覚的で抽象的なものなのですが、あえて言葉で表現するならば、「セラピー中のタッチは触れる=触れられることの連続」であり「感情を持った人同士気持ちも含めて対話する場」が治療場面という事になるのでしょうか。

 これは、当たり前の事なのでしょうが、自分を顧みますと、意外と出来ていない時も
あるかと気が付いた時に反省している次第です。     
 2020年3月11日 臨床塾塾長 髙橋

臨床塾便り

講師からのお知らせ
03 /09 2020
臨床塾便り

 政府が出した新型コロナウイルス感染症拡大予防の基本対策に準じて、3月の臨床塾は中止とさせていただきました。感染症の専門家が「過去に類見ぬ感染症」と述べているほどですから、先が読めない状況はしばらく続くのでしょうかね。
本来であれば、毎週水曜日は、塾生の皆様と臨床の話を土台にしながら、実技練習を行うのですが、その機会が少なくても1か月はなくなるかと思うと、とてもさみしい気持ちになります。後進育成などと息まいて開講している私ですが、いかに塾生さん達から元気をいただいていたのかが実感できました。これまでご参加いただいて来た塾生の皆様、本当にありがとうございました。

今回の塾生の皆様には、振替の機会をいくつかの形で準備させていただきますが、とても中途半端な回数での中止となってしまいましたので、コラムを通じて補足していきたいと思います。

まず、前回終了したAコース上肢機能の4回目では、片麻痺者の手関節・手がテーマになっていました。入院期間が制約され、短期間でのADL自立を余儀なくされている現在、手関節や手などの末梢部は、ご本人さんやセラピストが意識しない限り、治療が後回しにされる事は少なくありません。人の手は、繊細で巧緻的な感覚と運動機能を併せ持ち、力強くそして細やかな操作を通して自身と外部を関連付けているだけではなく、身体のバランスやコミュニケーションなどにも貢献していますので、片麻痺者の手に対する治療は、非常に意味深いものになります。

片麻痺者の手は、痙縮や連合反応により、開きにくい手が一般的な特徴とされますが、屈曲の強い固定を拮抗的に受け止めている伸筋群も張りを強め、また、浮腫が持続する事などで、屈曲の最終域に制限がある方が非常に多いです。手の操作の大部分では、対象を把持しての操作になりますので、しっかり握れる、あるいはその可動域を維持する事は重要になってきます。

臨床塾で提案させていただいている手に対するアプローチの一つとして、母指を外転位にして軽く握りこぶしを作り、手背から手側の皮膚の可動性が得られやすい部分から動きを引き出し、CM関節と第4指~5指の回旋の要素を利用しながら、握りこぶしを小さくしていく実技があります。介入前後の結果は、握りがしっかりすると同時に手の開きも良くなるというものです。これは、浅層では、伸筋支帯と第1指・第5指の中手骨から指背腱膜の基部に癒着しており、深層では背側骨間筋を被う手背筋膜、総指伸筋の腱に、虫様筋、背側骨間筋、掌側骨間筋が加わって形成されている指背腱膜などの滑走性が皮膚の動きと共に改善し、また、手内筋群の柔軟性が得られることなどと関連していると考えられるのですが、臨床で、手指の痙縮のコントロールに、時間をかけてしまう場合などに応用できる実技として紹介しています。「押してもだめなら引いてみな!」的な発想なのですが、同じ身体の末梢部である足部や、拘縮が強い関節などのROMなどにも、この発想を機に展開して確実な変化が得られましたので、お試しあれ。

2020年3月5日 臨床塾塾長 髙橋

臨床塾9期生(2020年1月〜3月)の先生方へ

講師からのお知らせ
02 /28 2020
平素よりお世話になっております。
臨床塾塾長の髙橋です。
既に臨床塾事務局から個々の先生方に連絡が届いている事と思いますが、
政府の新型コロナウイルス感染対策基本方針に準じまして、3月の臨床塾は中止とさせていただきます。

4回の開催を通して、せっかく顔見知りになり臨床の具体的な疑問に関して、構える事なく意見交換が出来始めていただけに、とても残念ではありますが 今は、先生方の健康の安全と不安やリスクの軽減を最優先させていただきます。

3月中止分の振替受講に関しましては、今まで同様に以後1年間の同一コースに無料で参加可能ですが、それに加えて先生方がより参加しやすい方向でも企画したいと考えておりますので、ご理解とご協力の程よろしくお願い致します。

現状が終息に向かい落ち着きましたら、再度個々人の先生方にメール連絡させていただきますので、しばらくお待ちいただければ幸いです。

臨床塾塾長 髙橋、事務局一同

【重要】新型コロナウイルス感染拡大予防の対応について

講師からのお知らせ
02 /27 2020
皆様

平素よりお世話になっております。
臨床塾でも新型コロナウイルスの対応といたしまして
政府の基本方針に準じて開講、延期、中止など、慎重に判断して
参りますので、ご理解とご協力をよろしくお願い致します。
尚、現在開講中のコースに関しまして別途塾生様にはご連絡させていただきますのでお待ちください

臨床塾
講師 高橋栄子
事務局一同